製作:キャメロン・マッキントッシュ作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー 出演:ラミン・カリムルー、シエラ・ボーゲス、ヘイドリー・フレイザー、 セルゲイ・ポルーニン 他 2011年10月、ロイヤル・アルバート・ホールで収録された公演映像のスクリーン上映。 昨年も近くで上映されていたのですが、舞台の映像化があまり好きでなく見送りました。 でも、また別の映画館で上映されることになり、観てきました(笑)。 2年前に日本版(舞台)を観たときに「これで最後」と思ったのですが..... 感想はとても面白かった! 歌に迫力があるのはもちろんですが、演技も上手い。それと結構笑えました。 怪人役はラミン・カリムルー。歌唱は強靭で安定している。 若くて上背があまりないこともあり(?)、かわいく見えるときがあった。 ラウルはヘイドリー・フレイザー。『レ・ミゼラブル25周年記念コンサート』でカリムルーは アンジョルラス、フレイザーはグランテールを演じたので、フレイザーもよく覚えていました。 怪人とラウルはシューマカー監督の映画版と同じように同年代。 違うのは映画版のラウルはお坊ちゃま系だったけど、フレイザーは力強い。 クリスティーヌ役のシエラ・ボーゲスがよかった。墓場の場面はクリスティーヌ役が 弱いときはお休みタイムにしていましたが(笑)、本作では惹きつけられました。 ハンニバルなどで跳躍が高くて目立っていたダンサーは セルゲイ・ポルーニン(英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル)。 全般的に楽しかったです♪ 少し残念なのは音があまりよくないこと。 映像と音声がずれたり、歌声がバリバリしたり、オケの音は冴えなかった。 字幕は四季版。日本語で歌うための歌詞で原語の内容とは異なるところがあり、 字幕としては適していないように思いました。 本編終了後、オリジナルキャストのサラ・ブライトマンとマイケル・クロフォードが登場。 サラ・ブライトマンはますます妖しくなっていて(?)、ブレスが大きかった(汗)。 4人のファントム、コルム・ウィルキンソン、アンソニー・ワーロウ、 JOJ(ジョン・オーウェン・ジョーンズ)、ペーテル・ヨーバックも出てきた。 カリムルーも加わって、5人の怪人がサラに "Sing for me!" と迫る(爆笑)。 JOJの緊張感のある歌声が大好き♪ オーストラリアのアンソニー・ワーロウも重量級。 コルム・ウィルキンソンもよく声が出ていた。 ペーテル・ヨーバックは3人とは異質で、初演のマイケル・クロフォード的かも? 華やかなお祭りでした。 *WOWOWで放映があるそうです【3月20日(火・祝)20:00~】
映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六 - 太平洋戦争70年目の真実」
監督:成島出出演:役所広司、玉木宏、柄本明、柳葉敏郎、阿部寛、 吉田栄作、椎名桔平、益岡徹、袴田吉彦、五十嵐隼士、 河原健二、碓井将大、坂東三津五郎[10代目] 、 原田美枝子、瀬戸朝香、田中麗奈、中原丈雄、 中村育二、伊武雅刀、宮本信子、香川照之 他 山本五十六は海軍次官時代は日独伊三国同盟に反対して いたが、真珠湾攻撃やミッドウェイ海戦では最高司令官として指揮をとることになった。海外の状況に詳しく、日米の国力の違いもよくわかっていた山本は、戦争に突入しても早期終結するために講和の機会を狙っていた..... 戦争ドラマというよりは、山本五十六という人物に焦点を当てたヒューマンドラマ。 よく描かれていると思ったのはマスコミの豹変ぶり。世論を代表して(と主張して)戦争を 煽っていたマスコミが戦後は手のひらを返したように軍国主義を叩き、民主主義を謳う。 山本五十六が若い新聞記者に「目と耳と心で世界を見なさい」と諭すのが印象に残った。 短い期間に首相が何人も変わったり、情報戦に弱いのは今も変わらず、 現代への警告のように感じた。 将棋を指すシーンと食べ物の描写が多い。 一家で魚を分け合うのは長岡の節約の気風の表れ? 山本は水まんじゅう、干し柿など甘いものを美味しそうにほおばる。 食べる楽しみを味わえるのは生きていることの喜びということか? 甘党で下戸。そんな山本が南方の視察に出向く前夜には酒を飲む。 覚悟の上での出発だったという考察を裏付けるためのシーンのようにも思った。 山本五十六役の役所広司さんが好演。 コンパクトにまとまった映画でメッセージ性もあり、興味深く観ました。 DVD「連合艦隊司令長官 山本五十六」 監督:丸山誠治出演:三船敏郎、稲葉義男、土屋嘉男、平田昭彦、藤木悠、佐原健二、田島義文、小鹿敦、松本幸四郎[8代目]、 藤田進、安部徹、佐藤允、加山雄三、田村亮、黒沢年男、黒部進、辰巳柳太郎、司葉子、酒井和歌子 他 1968年製作 こちらは山本五十六役を演じる三船敏郎さんに貫録があって、 圧倒的な存在感でぐいぐい魅せる。 真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦は新作でも描写されていたが、 ガタルカナル島での攻防戦、補給路を断たれた上陸兵の悲惨な状況や陸軍との交渉も描かれていて興味を引かれた。 南雲機動部隊司令長官について、「南雲を責めるんじゃないぞ」と山本が部下に 言うのは新作・旧作とも同じ。ミッドウェー海戦において兵装転換命令を行った 南雲にはいつも注目してしまう..... 山本は将棋を指しても負け続け(戦局が気になって集中できない)、 カード(トランプ)も嗜んでいた(実際に愛用したカードが現存するそうだ)。 洋風の飲み物を飲み、艦に人が訪ねてくればビールを供し、こういう点は 旧作の方が自然に思えた(新作は将棋や食べ物の見せ方が意図的?)。 こちらも人間ドラマ。三船敏郎さんがカッコよくて、まさにヒーロー。 ミッドウェイ海戦などの作戦の失敗の責任には触れず、弱さは描かれていなかった。 そういう影の部分もあれば、もっと深みが出たかもしれない。 三船さんの魅力で見応えがあり、内容は割ときっちりしている印象を受けた。 山本五十六と言えば、映画では山村聡さんのイメージでした。 (子どもの頃に観た「トラ・トラ・トラ! 」に出演していた。記憶は曖昧だが...) 役所広司さんは柔和な感じ、三船敏郎さんは剛毅。それぞれの魅力がありました。 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ出演:ルブナ・アザバル、 メリッサ・デゾルモー=プーラン、 マキシム・ゴーデット、レミー・ジラール 他 初老の中東系カナダ人女性ナワル・マルワン (ルブナ・アザバル)は、世間に背を向けるように して生きてきて、実の子である双子の姉弟 ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)と シモン(マキシム・ゴーデット)にも心を閉ざして いた。そんな母親が謎めいた遺言と2通の手紙を残してこの世を去り、その手紙は姉弟が存在すら知らなかった兄と父親に宛てられていた。遺言に 導かれて初めて母の祖国の地を踏んだ姉弟は、 母の数奇な人生に向き合うことになる..... 冒頭のシーンで子どもたちが丸刈りにされていく。 1人の子の足の踵には3つの刺青があり、彼は鋭い眼差しでこちらを睨みつける..... 母親ナワルの故郷は中近東のどこか(場所は特定されていない)。 キリスト教徒が多いことからレバノンと思われる。 その地で母親(キリスト教徒)はパレスチナ難民と恋に落ちるが、それは民族的に 許されないことで、恋人は殺され、身籠った子どもは誕生後に施設に送られてしまう。 母の祖国を訪れた姉ジャンヌは母の軌跡を辿り、その過酷な人生におののく。 後に弟シモンもやってくる。そして、2人は自分たちの出自を知る..... ギリシア神話のような話。あるギリシア悲劇に展開が似ている。 結末は異なり、悲劇からもう一歩進んで和解や赦しに向かおうとする。 姉弟にとっては知らされない方がよかったかもしれないことまで伝えられるのは、 母親は最後の赦しを示して憎悪の連鎖を止めようとしたのではないだろうか? レバノンの内戦のような民族や宗教間の抗争にはリアリティが感じられ、 その点では社会派の映画のように見えるが、本質はミステリーだと思う。 原作は舞台劇だそうだ。設定に強引なところもあるが、 撮影や演出が優れていて、衝撃的で迫力のある映画になっていた。 監督:クロード・シャブロル出演:ナタリー・バイ、ブノワ・マジメル、 シュザンヌ・フロン、メラニー・ドゥテー、 ベルナール・ル・コク 他 ボルドー地方のブルジョア一族の物語。空港でアメリカから帰国したフランソワ(ブノワ・マジメル)を父ジェラール(ベルナール・ル・コク)が迎える。ジェラールの再婚相手であるアンヌ(ナタリー・バイ)は、1週間後の市長選に出馬しようとしている。アンヌの連れ子ミシェル(メラニー・ドゥーテ)は大学生、アンヌの叔母にあたるミシュリーヌ (シュザンヌ・フロン)は一家の長老格。一見優雅な家族に、ある日1枚の中傷ビラが届けられる..... 2003年製作 冒頭、カメラは一家の邸宅の外観を映して中に入っていく。食堂がチラッと映って、次に 階段がじっくり映し出される。そこを上って2階へ。部屋には死体が横たわっていた..... 妻アンヌは政治活動に熱心だが、夫ジェラールは商売にしか興味がない。 アンヌの選挙戦を妨害するビラを書いたのは誰か? その謎と並行して、この家族の秘密が次第に明らかになっていく。 ミシュリーヌは昔、父親殺害の嫌疑をかけられていた。父親は第2次世界大戦中に ナチスに協力した人物。ミシュリーヌの兄はレジスタンスに加わっていた。 そしてミシュリーヌと兄は恋人同士だった..... ジェラールとアンヌは再婚。ジェラールの息子フランソワとアンヌの娘ミシェルは 恋愛関係にある。過去も現代もこの家族は身内の中で婚姻、恋愛を繰り返していた..... 現代の家族の風景にミシュリーヌの回想が挟まれる。 邸宅と海辺のピラの別荘にも彼女の思い出が詰まっている。 ミシュリーヌが父親から受けた仕打ちを音声だけでフラッシュバックするのが見事。 ミシュリーヌ役のシュザンヌ・フロンが気品のある老婦人の複雑な内面を表現して名演! シャブロル監督はサスペンスの中にブルジョア階級の退廃を描いているようだった。 冴えた映像、過去の出来事や人間関係が現代の家族に重なっていく様に唸りました。
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