人気ブログランキング | 話題のタグを見る

舞台「盲導犬」

舞台「盲導犬」_c0181920_235306.jpg唐十郎作×蜷川幸雄演出の舞台。

作:唐十郎
演出:蜷川幸雄
出演:古田新太、宮沢りえ、小出恵介、
小久保寿人、大林素子、妹尾正文、
大鶴佐助、松田慎也、堀源起、
羽子田洋子、加藤弓美子、佐野あい、
金守珍、木場勝己 他
日時:7月11日(木) 19:00~
会場:Bunkamuraシアターコクーン

盲人の影破里夫(古田新太)が伝説の不服従の盲導犬ファキイルを探している。新宿のロッカーの前で、フーテンの少年(小出恵介)や初恋の人の手紙を探す女・奥尻銀杏(宮沢りえ)に出会う.....

以下、感想です。



舞台は1970年代初期の新宿。舞台上には横長にコインロッカーがずらっと並ぶ。
本物の盲導犬が登場する。火を使ったり、仕掛けはいろいろある。
物語は海の向こうのアジアへと広がりを見せる.....

「隷属と不服従」というテーマはとても魅力的だった。
だが、その世界観が熱気をともなって表現されていたかというと......?

影破里夫役は古田新太さん。独特の雰囲気のある方だが、この劇では
鋭さや緊張感がやや欠けているような.....(舞台で何度か拝見していて、
毎回滑舌が少し気になる) 奥尻銀杏役は宮沢りえさん。綺麗なだけでなく、
実力のある女優さん(野田秀樹作の舞台での好演が印象に残っている)。
でも、この役には情念のようなものが足りない。フーテンの少年役の
小出恵介さんはよかったと思う。古田さんとの相性もよい。

アングラらしく、しかも風格があるのは木場勝己さん!
セリフがよく響き、2役の1つには怪しい雰囲気があった。
意表を突かれたのは大林素子さん。身長と脚の長さに本当に驚いた。

音楽がパッとしない。古田さんは歌が上手いが、宮沢さんの歌は退屈。
ベートーヴェンの第九は使い方が陳腐.....

アングラ劇にしては舞台が綺麗で、劇場のサイズが大きい。
70年代のアングラ劇は知らないが、80年代なら新宿(まさにこの劇の舞台)で
アングラ劇を観たことがある。別の演目だが、ドロドロしていて過激だった。
本作からはそのようなアングラ劇のパワーはあまり感じられなかった.....
by moonlight124 | 2013-07-27 00:41 | 舞台 | Comments(4)
Commented by tyo at 2013-07-29 14:09 x
お久しぶりです。
唐十郎の芝居は、大学時代、演劇部の公演(少女仮面と、あと1作、盲導犬だったかも?)を観ただけですが、印象が強かった覚えです。学内での公演でしたので、場所・雰囲気は、実にアングラでした^^;
Commented by moonlight124 at 2013-07-30 00:45
>tyoさま
こんばんは。お立ち寄りいただき嬉しいです♪
ご覧になった学内での公演が「実にアングラ」だったそうで羨ましいです!
この戯曲は1973年に唐氏が蜷川氏の劇団「櫻社」のために書いたもので、
当時はアングラだっただろうと思います。もう少し小さめの劇場で、
粗削りでも反骨精神のある(不服従?!)演者で観たかったです...
「少女仮面」の概要を読んできました。激しそう(面白そう)ですね!
この数日後、劇団唐ゼミ(横浜国大での唐氏のゼミをもとに発足した劇団)の
公演(別の演目)があることを予定を立てた後で知って地団駄を踏みました(笑)。
Commented by tyo at 2013-07-30 18:23 x
唐十郎さんの戯曲は、読んでると?な場面が多い印象ですが、芝居を観ると妙にわかりやすいんです。けっこう感動しました。唐ゼミという劇団があるんですね?!覚えておきます。
Commented by moonlight124 at 2013-07-31 08:42
>tyoさま
唐十郎さんの戯曲は『芝居を観ると妙にわかりやすい』
そうなんですか! 他の作品も観たくなりました。
唐ゼミ=「青テント」(主に青テントで唐十郎作品を上演)、
劇団唐組(唐さんの劇団)=「紅テント」と呼ぶらしいです。
<< 映画「スター・トレック イント... 舞台「象」 >>