Bunkamura25周年記念
フランス国立リヨン歌劇場 歌劇「ホフマン物語」全5幕 作曲:ジャック・オッフェンバック 演出:ロラン・ペリー 指揮:大野和士 【出演】 ホフマン:ジョン・オズボーン オランピア/アントニア/ジュリエッタ/ステッラ:パトリツィア・チョーフィ リンドルフ/コッペリウス/ミラクル博士/ダペルトゥット:ロラン・アルバロ ミューズ/ニクラウス:ミシェル・ロジエ アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:シリル・デュボア ルーテル/クレスペル:ピーター・シドム ヘルマン/シュレーミル:クリストフ・ガイ ナタナエル/スパランツァーニ:カール・ガザロシアン アントニアの母:マリー・ゴートロ 合唱:フランス国立リヨン歌劇場合唱団 管弦楽:フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団 会場:Bunkamuraオーチャードホール 日時:7月9日(水)15:00~ 酒場で主人公ホフマンが人形のオランピア、歌姫アントニア、 娼婦ジュリエッタと恋に落ちたが何れも破綻した過去を語るという物語。 未完の状態で作曲家が亡くなったこともあり、多くの版が存在する。 今回の公演は新版を更に改訂したバージョンで、 ジュリエッタの場面は従来のものとはかなり違っていました。 演劇的に工夫が凝らされていた。 [第1幕 プロローグ] ミューズが登場する。 ニクラウスに変身する場面が鮮明だった。 [第2幕 オランピア] オランピアの歌の音程が上がると体も上昇する。そのときは仕掛けが見えていないが、後で乗っているクレーンを見せる演出が心憎い。舞踏の場面ではオランピアはセグウェイのような装置に乗ってすいすいと移動した。 [第3幕 アントニア] 父親のヴァイオリンがアントニアの首元にあてられ、彼女は息苦しい。ホフマンが上る階段とアントニアがいるバルコニーのセットが離れていき、2人の距離を表す。 [第4幕 ジュリエッタ] 鏡像の映し方が巧み、出演者の持つ鏡も反射していた。群衆(合唱団)の動きもよく考えられていて、ベンチに見立てた箱に座りながら足で移動させたり、雛壇に並んで瞬時に聴衆になったりしていた。 [第3幕 アントニア]が秀逸。ミラクル博士とアントニアの歌唱に迫力があり、緊張感があった。加えて、ミラクル博士が神出鬼没、2人の立ち位置など視覚的にも引き付けられた。 ホフマン役のオズボーンは上手いが、タイトルロールとしては歌声による存在感はさほどなく、軽妙な演技が優れているように見えた。 チョーフィがソプラノ4役。オランピアは視覚面で大いに楽しませてくれた。 アントニアが最もよかった。ジュリエッタは妖艶さがあまり感じられなかった。 アルバロがバリトン4役。長身でスキンヘッドの個性的な容貌、歌声は朗々としていて、悪役を熱演。怪しく、怖くて、存在感が抜群だった。 フランツなどの下男4役はデュボア。ユーモラスな演技をしたり、歌唱が伸びやかだった。ミューズ/ニクラウス役のロジエは安定していて、ミューズは美しく男装はカッコよかった。 合唱はとてもよかった。 管弦楽はゆったりしたテンポで歌に寄り添う。 演奏の歯切れがよくなくて、平凡でつまらなかった。 3時開演で終演は7時。予定(3時間35分)から大幅に遅くなった。 この日は日本公演の最終日。カーテンコールでチョーフィさんが オランピアとして本編と同様に装置に乗ってすーっと出てきたのは楽しかった。 大野さんがオッフェンバックの変装をして出てきたのには驚いた。
by moonlight124
| 2014-07-13 23:57
| 音楽
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