橋爪功vs井上芳雄の二人芝居。 スリリングな展開で、すごく面白かった! 原作:エリック=エマニュエル・シュミット 翻訳:岩切正一郎 演出:森新太郎 出演:橋爪功、井上芳雄 会場:世田谷パブリックシアター 日時:9月22日(金)14:00~ ノルウェー沖の孤島で1人暮らしをしているノーベル賞作家ズノルコ(橋爪功)のもとへ、地方新聞の記者ラルセン(井上芳雄)が訪ねてくる。ズノルコの最新作「心に秘めた思い」について取材をするためだ。人間嫌いで屈折したズノルコに苦労しながらラルセンは独占インタビューを始める..... ラルセンがズノルコの家の門に着いた途端、ズノルコは銃を発砲し、 「お客になるか死体になるか、お好きな方をどうぞ」と言い放つ。 インタビューを承諾しておいて、ひどい出迎えだ...(笑) ラルセンの訪問はズノルコの最新作について聞くのが目的だが、 彼が最も知りたいのは小説に登場する女性のことのようだ。 この女性は誰なのか? 彼女とズノルコの関係は? 1人の女性を巡って、2人の意外な接点が明らかになっていく。 1つの謎が解けると、また次の謎が出てきて、話が二転三転する。 橋爪さんの巧さに感嘆! 2時間半の上演中、ずっと惹きつけられた。 自在な演技と発声で、偏屈、傲慢だがチャーミングなところのある ズノルコの多面的な人間性を見事に表現していた。振り返れば セリフの量は膨大だが、大変さを感じさせず、自然だった(凄い)。 受けて立つ井上さんも好演。ラルセンは一見真面目そうな青年だが、 少し変わった人だと段々わかってくる。そんな役柄に合っていた。 舞台は室内。その窓から差し込む光が、日が暮れていくと変化して 美しかった。舞台は半日の出来事だが、そこで語られるのは 数十年の間に起きたことであり、愛についての長大な物語だった。 本作のモチーフであるエルガー作曲「エニグマ変奏曲」はあまり長く 流れない。この曲が好きで、流れる度にもう少し聞きたくなったが、 劇の構成要素の1つとしては適切な長さで効果的に使われていた。 登場人物は2人きりで、場所はズノルコの家に固定。 会話劇で密室劇なのに、だれない。笑って、驚いて、しんみりした(忙しい)。 本当によくできた脚本で、プロットが緻密、印象的なセリフが数多くあった。 橋爪さんと言えば、数年前に演劇集団円の公演『錬金術師』を観た。 橋爪さんが軽快な演技をして、劇場の客席の通路を何度も走り抜けて そのフットワークの軽さに驚いた。 今回の演出は演劇集団円の森新太郎さんで、演出も的確。
気心の知れた橋爪さんと森さんとの名タッグでもあったと思う。
by moonlight124
| 2017-12-14 23:44
| 舞台
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by moonlight124
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